多頭飼育崩壊から保護された猫白血病キャリアの双子の姉妹「トット」と「ぺこ」を家族に迎えたのが2016年4月末。
わずか2か月後の7月7日にトットが白血病発症の診断。縦隔型リンパ腫でした。
闘病も虚しく1か月後の8月3日にお空へ逝ってしまいました。
そして、年末の12月29日に残された双子のひとり「ぺこ」も白血病発症の診断。
翌年1月17日、呼ばれたようにお空へ逝ってしまいました。
いつかふたりの頑張りがどこかでお役に立てば、ふたりにとっても嬉しいことなんじゃないかとブログに残すことに決めました。
今回は、食事と栄養についてです。
猫白血病と闘う食事
当時、癌について全く無知だった私は癌と向き合おうと色々な記事や本を読みました。
以下の内容の出典は私のメモになりますのでご了承ください。
癌はブドウ糖を使って成長する
癌はブドウ糖(グルコース)を使って成長します。
そのため、糖質を制限した食事が基本。総カロリーの10%以下にすることが目標と言われています。
ブドウ糖(グルコース)は脳のエネルギー源となるため人間は必須なのですが、猫は糖新生(肝臓と腎臓において糖質以外の物質から糖が作られる)によって体内で糖が作成可能なため食事から摂取しなくてOKです。
ちなみに、最期までお世話になったちゅ~るですが、製造元のいなばさんに問合せしたところ、ちゅ~るの糖質の主成分はオリゴ糖でした!(オリゴ糖は摂取して問題ありません)
その他、ドライフードを製造している各社に問合せを行いましたが、糖の主成分までは公開できないということで不明です。
癌と闘う良質なタンパク質と
癌が細胞中にいる状態は常にアミノ酸が欠乏している状態です。
そこで、肉や魚などから良質なタンパク質を摂る必要があります。
また、猫の癌の治療ではまずはステロイドが処方されると思いますが、ステロイドはタンパク質(アルブミン)を使って作用するのです。
特にアルギニン&グルタミンなどの特定アミノ酸は免疫を強化することにも役立ちます。
脂肪で免疫力の低下を防ぐ
脂肪の摂取量が減ってしまうと血中コレステロールが低下してしまいます。
血中コレステロールは低い方がいいんじゃないの?と考える方もいらっしゃるかもしれません。
実は、充分なコレステロールは性ホルモンや副腎皮質ホルモンの合皮に不可欠。
コレステロールの低下は免疫力の低下につながります。
一方で癌は脂肪をうまく利用することはできないのです。
「低糖質×高タンパク質×脂肪」が理想!
低糖質かつ高タンパク質の食材の代表格はなんといっても「肉」と「魚」です。
糖質含有量はほぼゼロ。
また、肉食獣である猫にとって、お肉というのは最も身体に合っています。
与え方は、生が一番いいのですが、抵抗がある方は半生程度から慣らしていくのがいいでしょう。
【肉】 脂身の少ない鶏ささみや赤身肉
【魚】 脂も良作用(DHA,EPA)
参考にした書籍
参考にした書籍です。病気の理解も進むのでおすすめです。
猫白血病と闘うための手作りご飯
癌に効く栄養素
「低糖質×高タンパク質×脂肪」が基本。
その上で、他にも癌に効くとされている栄養素が沢山あります。
★インドール:発癌性物質によるダメージから細胞を守る
スルフォラファン:発癌性物質を破壊する酵素の合成を増加
➯アブラナ科の植物(ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、小松菜、水菜)
★オメガ3脂肪酸(中でもEPAとDHAを多く含む):癌細胞の増殖と転移抑制
➯魚油
★βカロチン:抗酸化物
➯サツマイモ、ニンジン、カボチャ
★リコピン:抗ガン
➯トマト(加熱したもの)
★ポリサッカロイド:抗腫瘍効果
➯シイタケ・マイタケ
実践!手作りごはん
好みは百猫百様。
「低糖質×高タンパク質×良脂肪」を基本のイメージにおいて色々と試してみましょう。
トットとぺこのお口には合ったようで、それまで食べていたキャットフードよりも食いつき良しでした(最初は、ですが。)
手作りごはんというものが初挑戦だったので、結構しっかりとお肉類にも火を通してしまっていましたが、今だったら生であげます。(生の方が猫にとって消化がとても簡単なのです)
また、タンパク質となる肉類以外も良質な栄養素をあげたいと思っていましたが、野菜類を食べないこの方が多いのではと思います。
野菜類から摂れる栄養素はおまけぐらいに考えていてOKです。
今の私であれば、「生肉(鶏ひき肉)」と「お刺身」を食べてもらいつつ、あとは高栄養なキャットフードで補うと思います。
何よりも大事なことは「食べること」
一時期、色々調べるあまり、手作りごはんの栄養素にこだわってしまっていました。
そしてその時々によって違う食い付きで一喜一憂。
でも、何よりも大事なことは「食べること」ということをどうか忘れないでください。
何でもいいんです。何でもいいのでとにかく食べないくらいなら、食べることが大切。
いくらいい栄養素でも、本人が嫌がっているのなら、粗悪なキャットフードを食べさせるよりも効果はマイナスと考えてください。
自力で食べたい!と思えるものを探してあげるのが、飼い主さんの一番の戦いになるかと思います。
食べないと体がエネルギー不足になり、その不足分を補うために筋肉を自己消化してしまうので病態悪化につながってしまいます。
そして、癌を患っている子は毎日味覚が変化する傾向があるそうです。
一喜一憂せずに、いくつか食べてくれそうなものをお皿に用意してビュッフェ形式であげるというスタイルをとることをオススメします。
次の記事では、最期のときまで自力で食べてくれたフードをお伝えしたいと思います。
コメント
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