『猫の里親さんになるのにかかる費用はどれくらい?』という質問に答えていきたいと思います。
言うまでもなく、譲渡費用は譲渡団体によって異なります。
譲渡を受ける際にはきちんと確認して納得した上でお支払いして欲しいのですが、一般的には1頭あたり3万円~5万円という場合が多いようです。
「保護猫なのに費用がかかるの?」
「ボランティアといいつつお金を取るなんてボランティア詐欺じゃない」
「結局ペットショップと一緒じゃないか」
活動をしているとそんな悲しい反応もしばしば。
声を大にして言いたいのは、利益にはなりません
でも実際にかかっている費用って未知数な方も多いのではないかと思います。
そこでボランティア団体が設定している譲渡費用の内訳と私たちがタダで譲渡しない理由をお話しします。
譲渡費用の内訳 その1.医療費
保護をしてから譲渡をするまでに最低限絶対に必要な医療ケアがあります。
もしあなたが猫を保護してくれたとして、近所の病院へ連れて行き獣医さんの指示に従って同様の医療ケアを受けさせた場合にかかる費用を書き出しますのでご覧ください。
①混合ワクチンの接種
保護してまず一番にしなければならないことはワクチンの接種です。
一番一般的な3種混合ワクチンでは<猫ウイルス性鼻気管炎><猫カリシウイルス感染症><猫汎白血球減少症>という3つの猫にとって脅威となる感染症への感染を防ぐことが出来ます。
これらを子猫の場合は3回、大人猫の場合でも最低2回は接種します
費用は一般的な病院で1回当たり4,000円、2回で8,000円です。
②ノミ・ダニ・腸内寄生虫の駆虫
ノミ・ダニ・腸内寄生虫の駆虫も保護と同時に行います。
保護された子は90%以上の確率で虫さんがお腹にいます。
虫を落としきるために駆虫を3クール行います。
費用は一般的な病院で1回あたり2,000円、3回で6,000円です。
※検便と合わせての金額、猫の体重によって金額は異なります。
③血液検査(FLV/FelV判定)
猫にはFLVとFelVという血液の感染症があります。
これらは感染していて保菌状態でも発症しない限り症状には表れないのですが、発症していなくても他猫への感染力があるウイルスです。
そのため複数の猫を保護している場合は他猫への感染リスクを防ぐために血液検査を行わなければなりません。
費用は5,000円です。
④不妊手術
猫の繁殖力はすごく生後半年頃から発情が来てしまいます。
また不妊手術を済ませた方が猫の性格も落ち着き色々な心配ごとが減ります。
なので手術が出来る条件が整っていれば手術をしてから譲渡するのが鉄則です。
手術の費用はメスの場合で2万円程度、オスの場合で1.5万円程度です。
保護から譲渡までに最低限必要な医療ケア①~④を合計しただけで4万円にもなってしまいました。
実際にはこれらに加えて、カルテの作成費用500円、診察の度に診察料として1,000円、税金がかかります。
実はこの金額、私が保護活動駆け出しのときにお世話になっていた自宅(埼玉)から歩いて行ける動物病院の料金を書き出しました。こちらの病院は高くも安くもない、ごく一般的な金額だと思います。
(ちなみに自宅から徒歩で行ける病院は二軒あったのですが、その中でもお安い方でこの金額です。もう1軒は不妊手術5万円からでした・・・)
保護を沢山するようになり余りにも火の車ということで、自宅から少し離れた保護猫に理解のある病院へ連れて行っています。そちらでは同様の医療ケアとマイクロチップの装着もしてトータルで2.5万円くらいです。
譲渡費用の内訳 その2.飼育員(協力費)
飼育費とは「保護から譲渡までにかかったお世話代」と捉えてください。
フード代、おやつ代、トイレの猫砂代、おもちゃ代、光熱費などなど。
譲渡までに必要なお金は医療費だけではありません。
実費は計算できませんので、一律3000円程度をもらっているところが多い気がします。
譲渡費用の内訳 その3.交通費
譲渡時は里親さんの自宅までお届けに行きます。これは里親詐欺を防ぐため、そして実際の居住環境を確認しアドバイスするためです。
こちらは実費分を負担頂いているところがほとんど。
まとめ
【医療費4万円】+【飼育費3000円】+【交通費2000円】
最低でも4万5千円はかかる計算になりました。
実際には飼育費というのはプライスレスですし、医療費もこれが最低限のもので実際にはその子その子によって必要な検査や治療で莫大なお金がかかるケースも多々です。
里親さんの中には理解してくださり+αでご寄付を頂ける場合もありますが本当に有難く思っています。
里親に1匹出すことができたらまた次の子を救える。そして十分な医療をかけてあげることができますからね。
ボランティア活動をしている方も沢山増えてきました。
中には自分の生活のためにボランティアと名乗り寄付をもらっているという悪質なパターンもあることが分かっています。
ちょっとでも怪しいと思ったら上記にあげた必要最低限の医療ケアとその費用を参考にし、不当な譲渡費用を請求されていないか確認してくださいね。
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